ハーバードビジネススクールの人間行動学講義。人は何かを得る欲望より失う恐怖の方が圧倒的に強い。

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ハーバードビジネススクールの人間行動学講義。人は何かを得る欲望より失う恐怖の方が圧倒的に強い。

 今日は「ハーバードビジネススクールの人間行動学講義。人は何かを得る欲望より失う恐怖の方が圧倒的に強い。」です。

 人間には自分自身やその功績が脅かされたと感じたときにそれらを守ろうとする衝動がある。ーそれがわれわれの仮定である。この無意識の衝動の兆候はまず警戒心という形で現れ、次に恐怖や怒りといった感情を引き起こす。防衛衝動は遺伝子の生存に不可欠な要素として、進化の過程で選択されてきた。(中略)

 動物が獲得衝動を身につけるにつれて、食糧などの貴重な取得物を守ろうとする防衛衝動が進化した。(中略)現代生活において防衛衝動はあらゆる形を取って現れる。実際、人間の活動の多くは、この衝動によって生み出されていると言える。(中略)

 おそらく人間の心は生まれつき脅威に対してさまざまな防衛反応を示すようにできているのだろう。こうしたスキルは後天的な文化知識や個人体験によってさらに発展していく。どういった防御行動が取られるかは、脅威の大きさに応じて変わってくることが予想される。

 本書によれば、人は奪われることや失うことに対して何よりも強い抵抗を示すといいます。転職や起業を考えているサラリーマンがなかなか次のステップに踏み切れないのは、何年もかけて積み上げてきたキャリアや給料を捨てて(失って)新しいことにチャレンジすることに対する抵抗が強くはたらくためです。

 例えば本業からの給与が30万円、副業で既に100万円を得ている場合、副業がサラリーを大きく超えて安定的に収入をもたらしていますから、客観的にみて、いつ会社を辞めてもいいですし、会社を辞めることによって30万円の給与以上に時間的な自由がもたらされるはずです。しかし、時間的な自由がもたらされる(何かを新しく獲得できる)ことよりも、安定収入の本業からもらえる30万円を失うことのほうが心理的な抵抗は大きく、副業で100万円を得ているにもかかわらず、なかなか副業一本に絞ることができないというビジネスマンは多いようです。

 また2万円の給与アップや年3日間の有給支給がもたらすメリット(何かを新しく獲得できる)よりも、2万円の給料カットや年3日間の休日削減がもたらすデメリット(何かを失う)のほうが同じ効用であるにも関わらず、インパクトが大きいのもこのためです。

 人間は得ることに対する「欲望」よりも、失うことに対する「恐怖」の方が圧倒的に強いのです。これは人類が進化の過程で獲得した遺伝子に刻まれた防衛本能であり、理屈でどうこうできる問題ではありません。

 どんなにお金持ちであっても自分の所有物を失うことには本能的に抵抗してしまいますし、逆に言えば、この最も強い衝動に訴えることができれば、どんな人でも行動に駆り立てることができるといえます。防衛衝動を上手く使うことで、マネジメントでもマーケティングでも人を動かす動機付けを行うことが容易になるのかもしれませんね。

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ハーバードビジネススクールの人間行動学講義

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2014-10-17 | Posted in 未分類No Comments » 

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