クチコミ客を引き寄せる草の根マーケティング成功戦術大全。見込み客と個人的な関係を築くコンビニ

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クチコミ客を引き寄せる草の根マーケティング成功戦術大全。見込み客と個人的な関係を築くコンビニ

 今日は「クチコミ客を引き寄せる草の根マーケティング成功戦術大全。見込み客と個人的な関係を築くコンビニ」です。

 あるコンビニエンスストアの店長は、一定の期間(11週間)、店で見かけた覚えがない人々に自分の名刺を200枚配布した。最低1日10枚は手渡す(握手をする)、という目標を立てたそうだ。いざ名刺を渡すときには、裏に「レギュラーサイズのソフトドリンクかコーヒーを無料進呈」と書いて署名をする。そして、相手にはこう言うのだ。「うちの店に来てくれたときには、このドリンクはおごりです!」

 手渡した200枚の名刺のうち、手元に戻ってきたのは51枚だった(25%以上のリターンだ)。言うまでもないが、来店して名刺をドリンクに交換してもらった人の大半は、そのほかの商品も一緒に買った。加えて、その新規購入者の多くは以後も来店してくれた。

 「名刺と握手」プロモーションの特徴は、特典の交換率と新規購入者の転換率の両方が高い点だ。その理由は、見込み客と個人的な関係が築けるからだ。店長や経営者と面識があると、客にとっては結構良い気分になる。自分が特別の存在のように思えるのだ。この点を活用しよう。

 なお、専用の「無料券」をこの戦術では作成しないようにしよう。その人物に本当に特別と感じてもらうために、自分の名刺を使う。申し出た内容を名刺の裏に手書きして署名しよう。そのほうが、はるかに効果は大きい。

 商品やサービスのコモディティ化(製品が成熟化した結果として製品間の差別性が失われ画一化・同質化している状況)が進めば進むほど、「誰から買うか」というパーソナリティの部分が重要になってきます。

 以前、別のコラムで

 投与率(見込み客からクライアントや患者、顧客への転換率)や平均取引規模、紹介による新規取引数は、ビジネス側が自己の個人情報をどれだけ開示するかにほぼ正比例して増加する

 という話を紹介しました。

 以前、勤めていたオフィスには徒歩5分圏内にコンビニエンスストアが4つ(ファミリーマートが2つにデイリーヤマザキ、セブンイレブンが1つずつ)存在していました。

 昼夜を問わずベンチャー企業で働いていた20代当時の自分にとって、深夜営業しているコンビニはその名の通り非常に便利であり、4つの店舗ともよく利用していました。4つのコンビニは一つの通り沿いに向い合って並んでおり、それぞれがしのぎを削っています。そしてそれぞれの店舗に異なる特徴がありました。

 デイリーヤマザキは家族経営の店舗。ブランドイメージは他の店舗に劣りますが横断歩道を渡らずに行ける点が何よりも大きな来店要因であり、よく利用していました。デイリーヤマザキの向かいにあるセブンイレブンは個人的に思うブランドイメージや品揃え、商品品質では他の店舗を凌駕しており、通勤時間や昼時はどの店舗よりも混み合っています。しかし、混み合う店舗を複数の店員が協力してさばいており、素人目で見ても回転率が非常に高くおそらく他の3つのコンビニよりも高い売上を維持していたと想定できます。オフィスからは一番遠い立地でした。道を挟んで2つ並ぶファミリーマートは無印良品ブランドやイートインスペースなど他の店舗にはない特徴があります。何より他の2ブランドよりも清潔感のある店舗作りが個人的には印象的でした。

 さて、この4つのコンビニ店舗ですが、自分がどこを一番利用していたかと言えば、結論から言えば、オフィスから一番遠いセブンイレブンでした。なぜセブンイレブンだったのか?それは店長や店員さんと知り合いになったことが非常に大きかったのです。

 正直な話、コンビニほどコモディティ化が進んでしまえば、よほどこだわりのある人以外にとってはコンビニはあくまでコンビニであり、セブンイレブンだろうがファミリーマートだろうがローソンだろうがデイリーヤマザキだろうが大した差はありません。あなたは

ATMでお金をおろす時

目当ての雑誌を購入する時

喉が渇いたからと飲み物を買う時

 「絶対に◯◯コンビニじゃなきゃ嫌だ」という理由でコンビニを利用するでしょうか。それよりもニーズが喚起された瞬間に一番近くにあるコンビニを利用するのではないでしょうか。

 オフィスの近くにあった2つのファミリーマートは、そんなよくあるコンビニの典型例で店員にパーソナリティのかけらも何もなく、顧客を“ただの顧客“として機械的に扱います。店員にとっては商品が売れることや常連客にリピートしてもらうよりも、勤務時間が早く過ぎ去り、時給が自分の銀行口座に振り込まれるほうが重要。といった印象で、より近い立地に別のライバル店舗ができてしまえばあっという間にライバルに顧客を奪われてしまう。そんな店舗作りでした。

 一方で、オフィスから一番遠くにあったセブンイレブンは店長や店員の人柄なのか、天性のキャラクターなのかはわかりませんが、レジに行くと嫌な感じは一切ない絶妙な間合いで上手いこと喋りかけてきます。最初は愛想笑いして流していた自分も、毎度毎度あまりに自然に話しかけてこられるので、自然と会話をしてしまい、次第にその店舗へ来店する機会が増えてしまいました。顧客を名前のわからない“顧客”として機械的に扱うのではなく、「◯◯さん」一個人として人間味を持って扱うのです。

 私が引越しをする前に利用していたクリーニング店も、最近よく行く近所のスタバもコモディティ化が進み競合他社との競争に埋もれてしまうレッドオーシャンな市場にあって、このセブンイレブン同様に店員さんが独特のパーソナリティを持って私個人をリピートさせます。

 本書には「店長や経営者と面識があると、客にとっては結構良い気分になる。自分が特別の存在のように思えるのだ。この点を活用しよう。」とありますが、まさに顧客である自分自身の立場からこの部分には強く共感します。商品やサービスのコモディティ化が進んだ市場であるほど、パーソナルな部分を前面に出す戦略が上手くはまるのかもしれませんね。

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クチコミ客を引き寄せる草の根マーケティング成功戦術大全

商品詳細

2014-10-17 | Posted in 未分類No Comments » 

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