選択肢が多いのは良いこと。増えるほどに幸福度も増加する。ただ、増加した幸福度はその後低下し始める。

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選択肢が多いのは良いこと。増えるほどに幸福度も増加する。ただ、増加した幸福度はその後低下し始める。

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★★★★★ 選択肢が多いのは良いこと。増えるほどに幸福度も増加する。ただ、増加した幸福度はその後低下し始める。
2006/09/26 By Dr A
レビュー対象商品: 購買選択の心理学

 人生において選択肢があるのは良いこと。選択肢を持たない人というのは、往々にして惨めなもの。選択肢が増えれば増えるほど、私たちの幸福度も増加する。でも、増加した幸福度はその後低下し始める。

 選択肢があり過ぎることはストレスを生む。著者のバリー・シュワルツは地元のスーパーマーケットに行くときを例にこう描写している。クラッカーの隣にはクッキーが285種類。チョコレートチップクッキーを選ぼうとすれば、21種類も選択肢がある。通路を挟んだ向かい側にはジュースが並んでいる。ジュースには13種類のスポーツドリンクと、子供向け飲料が65種類。その他の味やブランドのジュース、そしてアイスティーや成人向けの飲み物が75種類。アイスティーの中にも加糖(砂糖または人工甘味料)、レモンティー、フレーバーティーといった選択肢が溢れている。

 ドラッグコーナーには日焼けオイルと日焼け止めが61種類。様々な鎮痛剤が80種類。アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン。350ミリのものと500ミリグラムのもの。カプレット、カプセル、そして錠剤。コーティングされたものとそうではないもの。歯磨き粉の選択肢は40種類。口紅は150種類。アイライナーは75種類。一つのブランドだけでネイル除光液が90種類。

 選択肢が幅広く存在することは確かに魅力的だが、著者のバリー・シュワルツは数多くの選択肢を目の前にした際の「自由の暗黒面」と呼ぶ“選択のストレス”について考察している。このパラドックスは金融市場において最も顕著だという。

 あなたは株式投資をするだろうか。先物取引をしたことはあるだろうか。あるいはオプション取引は?株式であれば、ニューヨーク証券取引所で成熟株の売買をするのか。それともナスダックで急上昇しそうなリスクある投資先を探すのか。農産物の先物取引をするべきか、熱帯産果実の先物取引をするべきか。あるいは金融先物取引をするべきなのか。

 外国為替はどうだろうか。オプション買いやコールオプションは利用しているだろうか。あるいはスプレッドのようにより複雑な戦略を調べてチャレンジしてみるべきだろうか。これでは、この手の市場で取引をするトレーダーのほとんどが強いストレスを抱えているのも不思議ではない。

 「何かを選択すれば、常に他の価値あるものを諦めることになる。選択肢が過剰になれば、不満が出てくる」著者のバリー・シュワルツはこう言っている。

 失うということは、何かを手に入れることで得られる満足以上に苦しみが大きい。何かを選択することで、本来であれば買う余裕のあった様々な選択肢を手にする機会を犠牲にする。この心の葛藤があるゆえに、人々は決断を避けようとする。精神的な不快感から、良くない決断をしてしまう。後悔を避けたいと思うがゆえに、“何もしないという選択”をする。過剰な選択肢はこうやって、不満を起こす。

 またバリー・シュワルツは、常に最高のものを手にしようとする「追求者」というカテゴリの人々と、妥当なレベルでの成功に甘んじる「満足者」というカテゴリの人々についても言及している。この分け方や、対策については非常に興味深かった。

 私は会社を経営しているので、自分自身のビジネスに関連付けながら、あれこれ考えてしまった。どれほど多くの成功者が、自分の行為が気に入らず後悔するのか。また、埋没費用が出たために、非常に長くビジネスが不振に陥ってしまう人も数多くいる。

 バリー・シュワルツは、「反事実的条件文」である coulda-shoulda-woulda(~したかもしれない、~すべきだったかもしれない、もし~だったら、しただろうに)の流れは終わることはないという。ただ、たとえそうであっても、例えば自分の下した決断を常に記録しておく。そうすることで、たらればを考えがちな人でも、意思決定に対する姿勢に変化が現れるという。優れた記録をつけ続けることが、経営者としても成功するための重要な要素の一つなのかもしれない。

 バリー・シュワルツ教授が語る本書は、非常に親しみやすく、知性に溢れるご近所さんのような語り口で重要なテーマについて分かりやすく教えてくれる。本書を読むことで多くの学びを得ることができる。もちろん、より良い選択をすることができるようにもなる。

 10章までのあいだに問題の要点を述べ、10章以降では彼の提案する解決法について紹介される。10章にたどり着くまでに、読者は彼の提案する解決法が知りたくなるはず。著者のアドバイスは明解かつ論理的でためになる。

 この本をあらゆる経営者に強くおすすめしたい。ひとつだけあら探しをするとすれば、本の紙質(米国版ペーパーバック)が気になった。それ以外は、総じておすすめの一冊。

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購買選択の心理学

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2014-10-07 | Posted in 未分類No Comments » 

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