意思決定にまつわる心理学や消費社会における幸福(不幸)について分かりやすく教えてくれる魅力的な本。

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カスタマーレビュー

意思決定にまつわる心理学や消費社会における幸福(不幸)について分かりやすく教えてくれる魅力的な本。

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★★★★☆ 意思決定にまつわる心理学や消費社会における幸福(不幸)について分かりやすく教えてくれる魅力的な本。
2005/03/06 By Steve Koss
レビュー対象商品: 購買選択の心理学

 1979年にジミー・カーター大統領は、国家的不定愁訴(ふていしゅうそ)演説と呼ばれる歴史的な演説をして米国は国家としての自信を失っていることをさらけ出し、激しく風刺された。ただ、今日においては、誰もがその事実を認めているように思う。

 アメリカの国内総生産はここ30年のあいだに2倍になったが、自分自身が「非常に幸福である」とするアメリカ人の数は減っている。うつ病の発生率は増加しており、14歳未満でうつが原因で医者にかかったことのあるアメリカ人は、全体の約7.5パーセントの上っている。この統計は10年前の2倍だ。

 小学校やコロンバイン高校で子供が子供に発砲する事件もあった。離婚率も上昇し、うまくいく可能性よりも破局する例が多くなっている。また、ダイエット本が毎年5,000万部を売り上げるとともに、拒食症や過食症も増えている。モノがかつてないほどたくさんあるこの時代に、アメリカ人は非常に不幸であるといえる。

 「購買選択の心理学」の中で著者のバリー・シュワルツは、こういった不安を助長する要素の一つに“過剰な選択肢”の存在があると説明する。親しみを持ったくだけた文章から、どちらかと言えば学術的な文章を使い(それでも難解なものではないので安心して欲しい)、心理学者の視点からこの問題を分析している。

 彼は選択肢があり過ぎるのは良くないと強く主張している。少なすぎるよりも悪く、全く選択肢が存在しない場合と同じ結果になることもあるという。実際、私たちは日々の生活の中で数多くの選択肢に直面している。ハミガキのブランド、シリアルのブランド、車やコンピュータ、電話プラン、休暇の過ごし方、テレビのチャンネルに至るまで。あらゆるものに数多くの選択肢が存在している。

 生活のあらゆる面で多数の選択肢が存在すると、バリー・シュワルツが「追求者」と呼ぶ、“あらゆる決断に対して常に最善の選択を求める人たち”の気持ちが麻痺してしまうという。非常に長い時間を意思決定に費やし、決断を下した後も決して満足することはない。

 というのも、新たな選択肢が提示されたり、選択したものが期待に合わなかったり、他のものと比較したり、順応効果によってやがては自然に満足度が薄れていってしまうためだ。より幸福感を感じるのは、十分な結論に満足している「満足者」だが、それでも、「追求者」同様に精神的な失望に悩むことがあるという。

 「購買選択の心理学」の各章では、選択肢が過剰に存在することの様々な面を検証している。バリー・シュワルツは私たちに、一見難しそうな用語もいくつも紹介してくれるが、彼の明確な説明と、役立つ事例、調査研究に裏付けられた参考資料が補足してくれるので、読者は彼のアイデアや主張を深く理解できると思う。心理学の学位を持っていない私のような読者のために、著者は親切なガイドラインを用意してくれている。意思決定にまつわる心理学や消費社会における幸福(不幸)について魅力的な本の旅にいざなってくれる。

 この本には考えさせられる部分が数多くあったが、少し注文をつけるとすれば、多少繰り返しが多く、説明が過剰な部分も見受けられた。この点が解消されれば、本書はより良い一冊になると思う。

 選択肢が増えることで満足度が下がる。その理由を理解したい読者のために、この本は考える材料を提示してくれる。モノがあふれるこの時代で、購買(それ以外も)選択における心理学を理解する本としては、本書「購買選択の心理学」は優れた一冊。仏教徒は2,500年以上も前から、モノを所有することは、人間の苦しみの主たる根源であることを知っていた。バリー・シュワルツもこの本の中でその内容を詳細に教えてくれる。

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購買選択の心理学

商品詳細
2014-10-07 | Posted in 未分類No Comments » 

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