味方を増やす口説きの技術

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味方を増やす口説きの技術

相手を説得する戦略的プロセス(G・リチャード・シェル、マリオ・ムーサ著)

The Art of Woo: Using Strategic Persuasion to Sell Your Ideas

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チャルディーニ大絶賛

これは史上最高の説得の名手たちのエピソードである。

 本書は、企業やNPOの幹部に交渉術を教えてきた著者らの経験から生まれた。共著者の一人、G・リチャード・シェルはペンシルベニア大学ウォートン・ビジネススクールの教授で、著書に、受賞もした交渉術指南書『無理せずに勝てる交渉術』がある。スチュアート・ダイヤモンドと共同で、ウォートン・エグゼクティブ・ネゴシエーション・ワークショップを設立・主催している。もう一人の著者マリオ・ムーサは、ウォートンスクールのエグゼクティブ・プログラムで組織変革の講座を担当する。ウォートンの研究所として設立され、のちにコンサルティング会社に進化した応用研究センター(Center for Applied Research、CFAR)のネゴシエーション実践グループ長でもある。

 私たちが主催するセミナーはいつも参加者に、あなたが現実に直面している問題で、高度な交渉スキルを必要としている問題があったら教えて欲しいとお願いしている。充実したクラスにしたいからだ。ご想像の通り、昔ながら交渉問題に悩まされている人が多い。買収案件、ベンダーに値下げを要求する、顧客に値上げを求めるなど。その一方、一見するとどこが交渉問題なのか、と思うような問題を挙げる人も意外に多い(50%近い)。最近開催したエグゼクティブ・ネゴシエーション・ワークショップで、参加者に参加の動機を述べてもらったところ、次のようなものがあった。

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今の良い関係を壊さずに、売り込む方法を知りたい。

ウィリアム(国際銀行の副頭取):「今回参加したのは、うちの部署の業績がよすぎて、上司が私の部下の30%を銀行内のほかの、業績がかんばしくない部署へ異動させたがっているからです。君たちの仕事ぶりからすればその30%がいなくても目標は達成できるだろうし、ほかの部署には支援が必要なんだからと言われました。しかしこれはおかしいと思います。せっかくの優秀なチームをいまのまま維持したい。その手立てを知りたいのです」

マーサ(米国の大規模大学の、主要大学院の学長):「重要な新プログラムを実施したくて、大学の学長に予算を認めてもらうとしているところです。1年前に学長に任命されたとき、大学院の知名度アップという使命を与えられました。それを実現したいのに、当局が予算をくれないのです」

ケン(大手保険会社の訴訟担当者):「訴訟の早期解決に向けて新プログラムを導入したいんですが、提携している社外の法律事務所がどこも参加を渋っています。いまのよい関係を壊さずに、法律事務所にプログラム案を売り込む方法を知りたいんです」

交渉だけが説得の全てではない。最大部分ですらない。

 私たちのワークショップでは上記のような問題も、もっと伝統的な交渉問題もとりあげてきた。その結果わかったのは、一般に交渉用とされる用語や戦術が必ずしも、こういう組織内の問題を分析・検討するのに最適とは限らないということだ。交渉スキルは、人を動かし説得するプロセスのかなりの部分を占める。目的がスタッフの維持であっても、戦略の実行資金獲得であっても、戦略パートナーを新プログラムに参加させることであってもだ。しかし、交渉だけが説得プロセスのすべてではない。いや、プロセスの最大部分ですらない。

 人間関係を背景とする説得の多様なあり方に触れ、しかも各種の人間関係に関する膨大な心理学研究の海で迷子にならずにすむように、本書ではテーマを絞り込むことにした。まず、人を動かそうとする場面の中でも最重要なものにターゲットを絞った。すなわち、大事なプロポーザル、アイデア、プログラム、イニシアティブなどを人に売り込もうとする場面である。一言で、言えば「アイデア売り込み」プロセスだ。第1章(Chapter1)で述べるように、このプロセスはシンプルな4ステップ構成をとる。アイデアを売り込みたいときには、いつもこの4ステップをたどればよい。

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リンカーン、カーネギー、ネルソンマンデラの説得術。

 第2に、抽象的な心理学的テーマや組織設計論ではなく、あなた自身、つまり読者に的を絞った。つまるところ、あなたの組織図の中心に位置するのはあなた自身だからだ。そこで本書では、あなたの持ち前の説得スタイルと好みの説得モードを解明するために、2つの自己診断テストを紹介する。いずれも効果のほどは実証済みだ。自己診断テストを受けることで、本書の内容を自分と照らし合わせながら読み進んでいただけるだろう。

 第3に、現実の例に即して話を進めていく。文字通り何百もの記事や伝記から選び抜いた、史上最高の説得の名手たちのエピソードである。私たちが直接見聞きしたビジネスリーダーや企業の例も取り入れた。つまり、偉大なアイデア・セールスマンたちの教えに触れられるというわけだ。登場する顔ぶれは、エイブラハム・リンカーン、アンドリュー・カーネギー、J・P・モルガン、チャールズ・リンドバーグ、フランシス・パーキンス、ネルソン・マンデラ、ボノなどなど。

 第4に、本書の内容は社会科学分野の信頼できる研究成果を踏まえたものだ。もっと詳しく知りたい方向けに、末尾に参考文献を掲載した。

 最後に本書では、少なくとも名目上はあなたの味方であるはずの相手(あなたの勤め先、取引先、長い付き合いの顧客やサプライヤー、家族など)を説得しようとする場合に直面する問題のみに的を絞った。

口先だけではない4ステップの「口説き」プロセス。

 第1章(Chapter1)では、まず本書のターゲットを定義する。「口説き」の技術を使って「アイデアを売り込む」とはどういうことか。本書がターゲットとするシーンは、車のセールスや大衆市場向けのマーケティングではない。何か重要なアイデアを売り込もうとする場合で、かつ、相手がまがりなりにもこちらの話に耳を貸そうとしている説得場面である。こうした場面で説得に成功するためには、単なる口先だけではない説得力が必要だ。第1章では、4ステップからなる「口説き」のプロセスを簡単に説明する。

 第2章(Chapter2)では、説得術や説得スタイルにはどういうものがあるかを紹介する。各種の研究によれば、人が問題解決に向けて利用する説得モード(手法)は、その人がどういう立場にあるかにかかわらず、6つに大別できるという。権限、理性、ビジョン、人間関係、利益、政治の6つである。重要な説得場面では、複数のモードを組み合わせて使う人が多い。たとえばオフィスの書類仕事を担当する事務スタッフなら、権限モードと人間関係モードを併用して業務を進めるのではないだろうか。

自分が多用せざるを得ない説得モードが何か分かる。

 このことから、第2章(Chapter2)のポイントのひとつが浮かび上がってくる。私たちの考えでは、たいていの人は自分「好み」の一定の説得モードを多用する傾向がある。したがって、相手が好むモードと好まないモードを知っておくと役に立つ。ここでひとつめの自己診断テストの登場だ。付録Aの「説得モード自己診断テスト」である。このテストをやってみれば、仕事で自分が多用せざるをえないモードはどれか、もし自分に選択の自由があれば使いたいモードはどれかがわかる。

 6つの説得モードを使う際の「説得スタイル」も、人によってさまざまだ。ちょうど楽器を演奏するとき、ミュージシャンによっていろんな演奏スタイルがあるようなものだ。対人関係でのあなたは、大胆で押しが強いタイプか、それとも控えめで思慮深いタイプか。率先して発言して議論をリードするタイプか、それともほかの人の話をじっくり聞いた上で、おもむろに冷静に意見を述べるタイプか。知らない人ばかりの部屋に足を踏み入れて真っ先に思うことは、「この人たちは自分にどういうキャラを期待しているだろうか」なのか、それとも「自分というキャラをこの人たちに知ってもらうにはどうすればいいだろうか」なのか。

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「口説き」実践へのシステマティックな計画プロセス。

 そこで威力を発揮するのが、「説得スタイル自己診断テスト」(付録B)である。このテストをやってみれば、自分が次の5つの説得スタイルのどれを演じたいかがわかる。ドライバー(「突撃隊長」。非常に自己主張が強く、相手にどう思われようとあまり気にせず自分の意見を述べるタイプ)、コマンダー(「指揮官」。自分中心視点なのはドライバーと同じだが、やり方はもっと穏やか)、プロモーター(「宣伝マン」。自己主張も強いが社交的でもあり、どちからというと相手の立場に立って説得を試みるタイプ)、チェスプレーヤー(「棋士」。相手中心視点なのはプロモーターと同じだが、やり方はもっと穏やか)、アドヴォゲート(「弁護士」。ほどほどに自己主張し、自分中心視点と相手中心視点の中間でバランスをとるタイプ)。

 第3章〜第9章(Chapter3〜Chapter9)では「口説き」実践に向けたシステマティックな計画プロセスの、そのほかの要素について述べる。重要なアイデアを売り込もうとするなら必ず自問してほしい、大事な問いがいくつかある。

説得を阻む障害がはっきりと。自分の主張が形を成す。

・これから自分が相手にするのはどういう意思決定プロセスか。まずターゲットにすべきは誰か。
・どういう人間関係問題、信用問題にぶつかりそうか。それはどうすれば乗り越えられるか。
・相手が期待している特定のプレゼン手法(データにもとづく分析とか、ビジョンにもとづくアピールとか)はあるか。
・相手が抱いている価値観や信念で、相手があなたの話を聞くときの態度に影響を及ぼしそうなものはあるか。
・あなたと相手の利害は一致しているか、それとも対立しているか。
・プレゼンをどう構成すれば最大限のインパクトを与えることができるか。相手を説得するにはどういう証拠が必要か。
・相手に鮮明な印象を与える効果的なプレゼンをするには、どういうツールが必要か。
・どうすれば組織内政治を乗り切り、継続的コミットメント(コミットメント=責任をもってかかわるという確約)をとりつけ、アイデアを実行に移すことができるか。

 これらの問いに答えていくうちに、説得を阻む主な障害がはっきりして、自分の主張が形を成していく。最後に第10章(Chapter10)では本書の最大のテーマのひとつ、つまり説得の際に説得者の人間性が果たす役割についてじっくり考えてみたい。

相手を打ち負かすのではなく、味方につけたいなら。

 読み進むにつれて、「口説き」の基本構成が見えてくるはずだ。つまりは口説きとは、自分と自分のアイデアから出発し、相手と相手のニーズに向かって一歩一歩近づいていく行為だと言っていい。口説きに成功すれば、相手はもはや説得の「対象」ではなく、説得という目的に向かってともに進むパートナーとなる。なぜなら、そこに人間関係がある限り、自分の言い分を強制的に相手に呑ませるわけにはいかないからだ。できるのは、相手が自分で自分を説得するのを後押しすることだけだ。

 本題に入る前にひとつ断っておきたい。激しい競争の中でライバルを破る高度な戦略を立てるのは「口説き」とは違う。そういう戦略についてアドバイスが欲しければ、私たちの愛読書である「孫子の兵法」をお読みになるとよい。しかし、あなたが相手を打ち負かすのではなく味方につけたいなら、本書『味方を増やす「口説き」の技術(the art of woo)』がおすすめだ。

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目次・章立て

Introduction「口説き」とは何か 影響力と説得力に頼って仕事を進めたい人の必須スキル
自分のことがわからなければ相手を「口説く」ことはできない………003
私はなぜ、本書を執筆しようと思ったか………005
本書の構成………008

Part1 売り込みの基本
Chapter1 アイデアを売り込む 効果的な「口説き」のための4つのステップ
わずか7文字の店名に込められた「売り込みの基本原則」………020
「口説き」のプロセス 4つのステップ………022
ビジネスにおける権限の役割………035
アイデア売り込みを文化にする組織………037
結論 「口説き」の技術を役立てるために………039

Part2 状況を把握する
Chapter2 自分を見つめる ぴったりの説得スタイルを把握する
相手の視点から物事を見たり感じたりできるか………044
相手の視点を目指す旅は、自分を知ることから始まる………047
説得戦略には6つのモードがある………049
「説得モード自己診断テスト」で答えを見つける………059
説得スタイルは、自分中心か相手中心化………060
音量は、大音量か小音量か………061
自分の説得スタイルを見つけよう………061
熟練者による5つの説得スタイルの実践例………063
「本当の自分」とは………074
結論 自分を発見して説得術を身につける………078

Chapter3 目指す相手に通ずる道 踏み石を伝って川を渡る戦略
アイデアは練りあげ、ビジネスモデルに仕上げる………081
アイデアは、どこから生み出すか………084
アイデアから行動へ 口説く相手を決める………089
踏み石を伝って川を渡るためのプロセス………091
ソーシャルネットワークがどう機能するかを把握する………093
「非公式」な組織には4タイプのプレーヤーがいる………099
説得場面ごとに具体的な目標を設定すべし………104
あなたの言動すべてに命を吹き込む2つの要素………108
結論 ここで終わった気になってはいけない………110

Part3 5つの壁
Chapter4 人間関係と信用の構築 信頼される人になる
飛行機も資金も支援者もない「ラッキー・リンディ」の売り込み戦略………115
リンドバーグの戦略を検証する………118
新たな信用問題が勃発………119
リンドバーグの話は、何を教えてくれるか………120
何より大切なのは人間関係である………121
「信用」は、相手の評価によって決まる………132
結論 リンドバーグが最終的に成功できた訳………142

Chapter5 相手の信念を尊重する カギは共通の言葉にある
ボノが困難な売り込みでも成功できる理由………145
ボノ流セールスの戦略………147
相手が理解できる言葉を見つけ、相手のモードに波長を合わせる………149
決定的なターニングポイントを見定めるには………151
所属する組織の言葉で話しているか………154
相手の理解できる言葉に翻訳して話そう………156
聞き手の基本的価値観を探り出せ………158
強い信念が目に見えない壁となるとき………161
信念バイアスへの効果的対策法………165
結論 どんな相手でも口説き落とせるか………173

Chapter6 利益とニーズ どんな得があるのか、に答える
人は自分の欲しいものしか興味がない………177
交渉によってアイデアを売り込む………184
4つの交渉ステップと心理的ファクター………186
共通の利益を探り出す方法………198
結論 「共通の利益」があなたを相手と結びつける………199

Part4 プレゼン
Chapter7 理由づけ 主張を展開しよう
実効性のある理由づけ 「なぜなら」の威力………204
グーグル流 手強い聞き手をも口説く10分間プレゼン………209
ルーズベルト大統領を参戦へと動かした3分間………213
PCANに「信用」が加われば鬼に金棒………222
どのコミュニケーションメディアが効果的か………225
プレゼンの説得力は、証拠の如何にかかっている………227
結論 最強のプレゼンのために必要なこと………232

Chapter8 直感へのアピール アイデアを印象づける8つのルール
ツール1:鮮明なイメージを描く………236
ツール2:デモンストレーションや象徴的行動を利用する………240
ツール3:感情を込める………243
ツール4:ストーリーを語る………245
ツール5:個人的エピソードを語る………248
ツール6:クイズを出す………252
ツール7:比喩を利用する………254
ツール8:聞き手に考えさせる………256
結論 印象付けのカギはバランスにある………258

Part5 コミットメント
Chapter9 売り込みの完了 コミットメントをとりつけ、政治を乗り切る
ニュートンの「法則」を忘れてはならない………266
「現状維持バイアス」を克服する………267
コミットメントをとりつけることの重み………268
優先順位シフトによって効力が失われる問題………272
政治対策 組織的コミットメントをとりつける………274
政治リスク1 縄張り意識………275
政治リスク2 モメンタム………278
政治戦術のベストプラクティス………279
会社を救う「政治戦術」………280
結論 旅の最終段階がもっとも難しい………292

Part6 説得のベストプラクティス
Chapter10 人間性 誠実に口説こう
「善行」を成功に結びつけるジャックの物語………297
「口説き」プロセスの完璧な実践………299
ジャックの物語には、驚きの結末が待っていた………203
道を踏み外す危険を回避して、誠実な説得者でいるために………305
実践で「口説き上手」を目指すための10の質問………307
結論 説得は「戦略的に」考えるべし………311

AppendixA 説得モード自己診断テスト………314
AppendixB 説得スタイル自己診断テスト………324
AppendixC 「口説き」ワークシート………329
テーマ別参考文献………332

味方を増やす口説きの技術5

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著者紹介

G・リチャード・シェル(G. Richard Shell)

 法学・ビジネス倫理学・経営学教授。ペンシルベニア大学ウォートン・ビジネススクールで教鞭をとる。スチュアート・ダイアモンドと共同で、ウォートン・エグゼクティブ・ネゴシエーション・ワークショップを設立・主催している。著書に受賞作でもある交渉術指南書『無理せずに勝てる交渉術』がある。

 マリオ・ムーサ(Mario Moussa)

 ペンシルベニア大学ウォートン・ビジネススクール教官。ウォートンスクールのエグゼクティブ・プログラムで組織変革の講座を担当する。ウォートンの研究所として設立され、のちに経営コンサルティング会社に進化した応用研究センター(Center for Applied Research、CFAR)のネゴシエーション実践グループ長でもある。両著者ともに、ウォートン・ビジネススクール戦略的説得ワークショップを主催する。ペンシルベニア州フィラデルフィア市に在住。
本書は、企業やNPOの幹部に交渉術を教えてきた筆者らの経験から生まれた。

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2015-03-01 | Posted in 未分類No Comments » 

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